1. Samples(サンプル): ProWalker GPUのイメージ品質は、Irayがアニメーション(または静止イメージ)の各フレーム毎に計算するサンプルの数に直接関連します。

プログレッシブレンダリングとは?

プログレッシブレンダリングではイメージ全体が少しずつ計算されます(「サンプル」と呼称) 。新しいサンプルは一つ一つイメージの精度を上げていきます。まず、形状とエッジが精製され、光の分配とマテリアル特性がより鮮明になり、最終的にきれいなレンダリングが作成されるまで、Irayが徐々にノイズやアーティファクツを消していきます。

SU Podiumとは違い、Irayレンダーは、厳密にいえば、決して「終了」しません。ProWalkerは、ユーザーが(通常は、追加されるサンプルが目に見えるほどにはイメージの品質向上に貢献しなくなる収穫逓減点で)停止を命令するまで計算を続行します。下のイメージをご覧ください。プログレッシブレンダリングをデモンストレーションしています。


フォトリアルモード - 10, 100, 500, 5000 サンプル:

Irayフォトリアルモードを使った上の例を見れば分かるように、ノイズを完全に取り除くには5000サンプルでは不十分です 。必要サンプル数はモデルによって変わります。このシーンには、少なくとも10,000サンプルを使うことをお勧めします。エクステリアシーンには、大抵5000サンプルで十分です。直射日光は、屋内での跳ね返った(間接)光より計算が簡単かつ高速です。


Idモードでは、サンプル数は通常少なくて済みます。

上の例とは対照的に、次のイメージはIdモード・450/1000サンプルでレンダリングしました。ご覧のように、450サンプルでもノイズがほぼ消えました。

Idモード、450サンプル


2つめの例は1000サンプルでレンダリングされ、壁の比較的粗いコンクリートテクスチャにさえ、目に見えるアーティファクツがほとんどありません。Idモードは非常に質の良いイメージを高速作成しますが、高サンプルのフォトリアルモードでは得られる微妙なニュアンスが欠けます。そうはいっても、Idモードは、魅力的なイメージを効率よく作成するための非常に効果的な妥協策です。

Idモード、1000サンプル

メモ: IDモードは、純粋なパストレーシングではなく偏向サンプルアルゴリズムを使用してレンダリング処理の速度を上げます。アニメーションのレンダリングには、品質では大差ありませんが、IDモードの方がPRモードより効率的です。ただし、目立つ「チラつき」効果が生じることもあります。これの考えうる解決策は、GIキャッシュですが、GIキャッシュは装備されていません。


フォトリアルモードは、静止ビジュアライゼーションに最適です。

十分な数のサンプルを計算できる時間であれば、Podium WalkerのPRモードはIrayができる最高品質のイメージを作り出します。高いサンプル数でのもっとも顕著な違いは、優れた反射品質と繊細な光/色調配分です。また、PRモードは、現在のところSU PodiumのLEM(発光マテリアル)に対応している唯一のレンダリングモードで、シーンをライティング時に非常に役立ちます。

10,000 サンプルの次の例では、ノイズがほとんど見えなくなるほど減少しました。

Iray フォトリアルモード - 10,000サンプル デザイン:Joe Pretorius


2. レンダリング設定       歯車アイコン

Podium Walkerには、アニメーションの各イメージ、あるいは各フレームで計算されるサンプルの数を設定する方法が3つあります。品質設定はこの歯車アイコンからアクセスします。

  • 時刻: フレーム毎の最大時間制限を設定します。Podium Walkerは、制限時間に到達するまで追加サンプルを計算し、その後、静止イメージを保存するか、次のフレームに進みます。
  • Samples(サンプル): フレーム毎の正確なサンプル数を特定します。すでにテストレンダリングが終わったら、これを使って任意のイメージ品質にするのに必要なサンプル数を調べます。
  • Automatic(自動): 速度と品質との効率の良いバランスを探る自動ソリューション。スライダを「fine」の方向に動かすほど高い品質のイメージ(サンプリング増)になりますが、レンダリング時間は長くなります。

フレーム毎秒数の設定は、ProWalkerがアニメーションのレンダリングに費やす時間量を制限するもっとも単純な方法です。秒にアニメーションのフレーム数を掛けるだけで合計レンダリング時間を予測できます。その後、任意の時間に当てはまるようにこの値を調節します。

ただし、アニメーション全編をレンダリングする前に、テストフレームを使って、プロジェクトで許容範囲のイメージ品質を作り出すサンプル数を決めることが必要不可欠です。任意の時間制限にはしばしば、高品質イメージとフレーム数(アニメーションの長さ)との間でいくらかの妥協が必要になります。どこにバランスを置くかはユーザー次第です。