ProWalker GPU
概要: ProWalker GPU (旧Podium Walker)が、主なレンダリングエンジンとしてNVIDIA Irayを使用するようになりました。
- Irayとは、実世界の光やマテリアルの動作をシミュレートしてフォトリアリスティックなイメージを作り出す、物理学に基づいたプログレッシブパストレーサーです。Irayについての詳細情報はIrayページをご覧ください。
- GPU acceleration(GPUアクセラレーション): Irayは、旧バージョンのPodium Walkerよりもコンピュータ的に「高価」ですが、対応Nvidiaグラフィックカードの実力を生かしてレンダリングのスピードアップを図れます。Podium Walker向けの推奨ハードウェアについてはこちらをお読みください。
未変更の機能
- アニメーションワークフローはそのままです。 キーフレームの設定やカメラアニメーションの作成、SketchUpからシーンをインポート、ビューポートの録画はこれまでと同じです。つまり、すべてプリセットダイアログの中に入っています。
- カメラ/操作オプション - 操作とPodium Browser とSketchUp間で同期するカメラは以前とまったく同じように動作します。
- SU Podiumマテリアル統合 - Podium Walkerは依然、Podiumのマテリアル設定(反射、屈折、透過、すべてのPodium照明タイプ)のすべてに対応し、大いに活用しています。まだ利用したことがない方には、SU Podiumをインストールし、ためにPodium Walkerの能力を最大限に生かしてマテリアルをリアリスティックにレンダリングさせることを強くお勧めします。
Podium Walker UI/ワークフロー変更:
照明ダイアログ、レンダリングユーザー設定、エクスポート設定、レンダリングモード、全般ユーザーインターフェースがすべて、新しいIray レンダリングワークフローに合わせて修正されました。

上図は、ProWalker GPU用の新しいユーザーインターフェースです。今のところ、「プリセット」ダイアログとカメラ操作アイコンは、以前とまったく同じように動作するので配慮していません。Podium Walkerの初心者の方は、カメラ操作の概要はこちら、カメラアニメーションについてはこちらをお読みください。
プレビューイメージは、Irayがイメージを洗練するたびに継続的にアップデートされます。 完了したサンプルの数は、左下に表示されます。手作業で停止させる、あるいはフレームがレンダリング設定ダイアログで設定された最大時間/サンプル数に到達するまで、Podium Walkerは実行を継続します。モデルに変更を加える、あるいはカメラを移動すると、サンプル数が1にリセットされ、処理を再始動します。
1. レンダリングモード
ProWalker GPU には、4つのレンダリングモードがあります(下記参照)。
- Nav - これは最低品質設定で、Podium Walkerビューポートでの操作で「実行しやすい」オプションです。Navモードは、カメラ角度の設定やクイックテスト用に向いていますが、最終レンダリングには適しません。
- Qck - これは品質を犠牲にして高速パフォーマンスに最適化された高速レンダリングモードです。最終レンダリング品質はNavとIdモードの中間になります。Qckは、プレビュー設定として、あるいは処理速度の遅いハードウェアを持つ/Iray 対応グラフィックカードを持たないユーザーのための代替策として使用できます。Qckは、「画面空間アンビエントオクルージョン」を使って、フレーム毎のグローバル照明を計算せずに、間接照明をシミュレートします。
- Id (Iray インタラクティブ) - Idモードは「Irayインタラクティブ」の偏向レンダリングアルゴリズムを使って品質とそり速度との効率的な妥協点を見出します。レンダリング品質はQck モードより大幅に良くなり、Podium Walkerの旧バージョンも改良しました。今のところ、これがデフォルト設定で、Podium Walker with Irayでアニメーションをレンダリングするもっとも効率の良い方法です。
- Ph (Iray Photoreal) - 最高品質だが最も遅い設定 Iray Photorealは、不偏のパストレーシングアルゴリズムで非常に高い品質のイメージを作ります。Photorealモードは、ほぼSU Podiumの品質に到達するほど高い品質の静止イメージを作成するのに最適です。「Phモード」は、アニメーションレンダリング用のIdより効率は下がりますが、高位仕様ワークステーションでも使用できます。
2. レンダリング設定 歯車アイコン
Irayは「プログレッシブパストレーサー」のので、アニメーションのレンダリング品質は、Podium Walkerがフレーム毎に実行を許可したサンプル/反復の数に依ります。
低いサンプルレベルでは、Irayレンダーはノイズが多くなります。サンプルがレンダリングエンジンに追加されるたびにイメージを洗練するので、反復毎にノイズやアーティファクツが排除されます。そのため、100サンプルのフレームは、500サンプルのフレームよりノイズが多い、粗い品質になります。

Podium Walkerには、イメージ品質を設定する方法が3つあります。
- 時刻: フレーム毎の最大時間制限を設定します。この制限に到達すると、Podium Walkerは、ノイズがすべて解消されたかにかかわらず次のフレームに移動します。
- Samples(サンプル): フレーム毎の最大サンプル数を設定します。テストレンダリングが終わったら、これを使って任意のイメージ品質にするのに必要なサンプル数を調べます。
- Automatic(自動): 速度と品質との効率の良いバランスを探る自動ソリューション。レンダリング時間が長くなるが高品質にするにはスライダを右に動かします。
3. 背景設定ダイアログ 雲アイコン
Podium Walker with Irayには、背景設定(エクステリアレンダリング用の5つの空シミュレーション)や、8つのHDR背景テクスチャ(2つの追加エクステリア)、イメージベースのレンダリング用の6つのHDR照明スタジオ等が加わりました。これらの例は、シミュレーションした5つの空オプションのうちの4つを示しています。

Clear Sky

Cloudy 1

Fine 1

Fine 2
背景ダイアログにある「Texture」ボタンをクリックして、空シミュレーションではなく、8つのHDR背景の1つを使用します。

HDR Studio 11

Sunset (Photoreal mode)

Ext 001

Sunset (Id Mode)
4. レンダリングモードサンプルフレーム
これらのイメージは、中程度品質レベル用のPodium Walkerの3つのレンダリングモードを示しています。すべてまったく同じマテリアル設定と似たような照明設定を使用し、およそ500サンプルを使ってレンダリングされました。
1. Qck - Ambient Occlusion 1

Qckモードでレンダリングしたキッチンスタジオ。グローバル照明ではなく高速のアンビエント・オクルージョン方法を使用しています。
2. ID1 - Iray Interactive

Idモードでレンダリングしたキッチンスタジオ。高い品質の間接照明とトーン分配を実現するためにIrayインタラクティブ設定を使用しています。