紹介

ProWalker GPUは、下のような新しいアプリケーションウィンドウを開きます。

起動するとすぐに、2つのアクション開始
  1. SketchUpシーン(ジオメトリ、テクスチャ、照明、マテリアル)がProWalker/Irayにエクスポートされます。
  2. レンダリング計算が始まり、ビューポートプレビューイメージがサンプル(反復)が完了するのに合わせて、次第に洗練されます。

NVIDIA Irayは、プログレッシブレンダリングエンジンです。つまり、追加サンプリングが完了するのに合わせてイメージが低品質から高品質に徐々に改良されます。ProWalker は、レンダリング設定ダイアログで指定できるユーザー定義の「termination criteria(終了基準)」に到達した時のみレンダリングを停止します。

カメラや照明/背景設定に変更を加えると、プレビューレンダリングが中断され、これによりサンプリングが新しい設定で0からやり直されます。

クリアなプレビューは通常、数秒で解像されるので、このアプローチの目的は、設計プロセス時に高速反復できるようにすることです。その後、最終レンダリングの準備が整った時に、終了基準をはるかに高いサンプル数に設定できます。

デノイズは、ポストプロセス処理であり、レンダリング計算とは切り離されているので、レンダリングプロセスを中断することなくオンオフを切り替えられます。

  操作

ProWalkerには、キーボードベースとマウスベースの2つのナビゲーションスタイルがあります。通常、2つを組み合わせて使用します。

マウスベースナビゲーション

左/右/中マウスボタンとスクロールホイールを使って、ProWalkerカメラを操作してSketchUpシーンを動かし、カメラを配置できます。

  • 右マウスボタン - 空間上の固定位置からカメラを回転/傾斜
  • 中マウスボタン - マウスポインタを中心にしてカメラをオービット
  • スクロールホイール - ズームイン/ズームアウト ズームターゲットは、SketchUp同様、マウスポインタです。
  • Shift + 中マウスボタン - カメラ傾斜/回転を遮ることなく、カメラを上下左右にパン
  • 左マウスボタン - カメラを前方/後方に動かすことで一定のカメラ高さに沿って外旋できます。

キーボードベースナビゲーション

ProWalker GPUにも、 WASD  と  スペースバー キーを使う 「ゲームスタイル」キーボードナビゲーションが付いています。

  • W - 一定のカメラの高さを保ちながら、カメラを前方に移動します。
  • A - 一定のカメラの高さを保ちながら、カメラを後方に移動します。
  • S - 横方向(左)にカメラを移動します。
  • D - 横方向(右)にカメラを移動します。
  • スペースバー - スペースバーを押したままにすると、カメラを縦軸に沿って上方向に移動します。
  • Shift + スペースバー - カメラを縦軸に沿って下方向に移動します。

日時

 Ctrlと  +  左マウスボタン  を押したままでマウスを左、または右にドラッグすると、SketchUpの日時設定を変更できます。この操作は、NavモードやQuickモードで効果的です。

 カメラをSketchUpと同期

同期ボタンを押すと、SketchUpビューポートに現在表示されているビューにProWalkerカメラがスナップされます。

これは、上にリストされた操作コントロール以外の方法を提供します。お望みなら、SketchUpビューポート上でビュー作成を継続できます。これは1方向リンクなのでSketchUpカメラをProWalkerビューポートにスナップさせることはできないことを憶えておいてください。その逆の場合のみ動作します。

 レンダリングモード

ProWalkerには、4つのレンダリングモードがあり、プロジェクト要件や締め切りに合わせて速度範囲や品質を決めることができます。

Navモード:

Nav - これは最低品質設定で、Podium Walkerビューポートでの操作で「実行しやすい」オプションです。Navモードは、カメラ角度の設定やクイックテスト用に向いていますが、最終レンダリングには適しません。

Qck モード:

これは品質を犠牲にして高速パフォーマンスに最適化された高速レンダリングモードです。最終レンダリング品質はNavとIdモードの中間になります。Qckは、厳しい締め切りでアニメーションをレンダリングしなければならない時の、プレビュー設定、あるいは時間効率オプションとして動作します。Qckは、「画面空間アンビエントオクルージョン」を使って、フレーム毎のグローバル照明を計算せずに、間接照明をシミュレートします。これは、「ambient」スライダを使って照明ダイアログで調節できます。

Id モード:

Idモードは「Irayインタラクティブ」の偏向レンダリングアルゴリズムを使って品質とそり速度との効率的な妥協点を見出します。レンダリング品質はQck モードより大幅に良くなり、Podium Walkerの旧バージョンも改良しました。これは、現在、デフォルトの設定であり、ProWalkerで静止イメージとアニメーションのどちらにも効果的な方法です。Idモードは、Prモードより低いサンプル数で「最終フレーム」品質に到達し、100~200サンプルの比較的ノイズの少ないイメージに収まります。

Pr モード:

最高品質だが、最低速度設定 Iray Photorealは、不偏のパストレーシングアルゴリズムで非常に高い品質のイメージを作ります。Photorealモードは、ほぼSU Podiumの品質に到達するほど高い品質の静止イメージを作成するのに最適です。「Phモード」は、アニメーションレンダリング用のIdより効率は下がりますが、高位仕様ワークステーションでも使用できます。

 デノイズ

デノイズは、予測ノイズ検出を使って、Irayのパストレーシングの高品質を下げることなく、ビデオや静止イメージをレンダリングするProWalkerの速度と反応性を5倍まで向上させます。

比較のためにスライド: 左 - デノイズなし / 右 - デノイズ適用

レンダリング時間: GTX 1070上で3分以下

ProWalkerは、デノイズを使うことで数秒でクリーンなプレビューレンダリング作成を可能にし、デノイズを使わない場合よりもはるかに低いサンプル数で最終フレーム品質に到達します。これはオンオフ切り替え機能なので、さらなる作業や設定は不要です。

唯一の短所は、デノイザーが(とりわけインテリアレンダリングで)シャープなエッジ詳細を「柔らかく」してしまう点です。これは、PRモードでデノイザーを使用する際に細心の注意を払うべきところです。

デノイザーはほぼ常に、エッジが精製で満足が行くレベルに到達する前にイメージ上のノイズを除去します。一目見て「完成」と思えるイメージは、サンプルを加えてエッジをはっきりさせたケースが多いです。

結局のところ、デノイザーをいつどこで使用するかはユーザー次第です。詳細情報とサンプルはデノイズページをご覧ください。ProWalker デノイズ

 レンダリング設定とサンプル

静止レンダリングやアニメーションの品質は、Podium Walkerがフレーム毎に実行することを許されたサンプル/反復の数で変わります。

Irayレンダリングは低いサンプル数ではノイズが多くなります。サンプルがレンダリングエンジンに追加されるたびにイメージを洗練するので、反復毎にノイズやアーティファクツが排除されます。そのため、100サンプルのフレームは常に、500サンプルのフレームよりノイズが多い、粗い品質になります。

完成フレームにはどの程度の品質が望ましいか、またProWalkerがいつ処理を止め、イメージを保存するかを決めるのは、あくまでもユーザー自身です。これが、いわゆる「ターミネーションクライテリア(終了基準)」です。

ProWalkerには終了基準用に3つのオプションが用意されています。

時刻:

フレーム毎の最大時間制限を設定します。この制限に到達すると、Podium Walkerは、ノイズがすべて解消されたかにかかわらず次のフレームに移動します。

Samples(サンプル):

フレーム毎の最大サンプル数を設定します。テストレンダリングが終わったら、これを使って任意のイメージ品質にするのに必要なサンプル数を調べます。

Automatic(自動):

速度と品質との効率の良いバランスを探る自動ソリューション。レンダリング時間が長くなるが高品質にするにはスライダを右に動かします。

 パス&アニメーションパネル

フライスルーアニメーションの作成/レンダリング用のProWalkerツールはビュー/パス/ムービーダイアログに入っており、このダイアログにはオレンジ色の矢印アイコンをクリックしてアクセスします。

このダイアログ上で、カメラ位置をSketchUpシーンからインポート、キーフレームを作成、アニメーション用のカメラパスを設定、シーン転換を追加、最終ムービーをレンダリング/エクスポートできます。

ProWalker GPU V1.1.5

2018年6月初めにリリースされたProWalker GPU Version 1.1.5のアニメーションツールには大々的なアップデートが加わりました。


ProWalker GPU V1.1.5 へのアップデート

  アニメーションドキュメンテーション: 新しいアニメーション/ムービーインターフェースは規模が大きく、各自のページが必要になります。ProWalkerを使ったアニメーションの作成とエクスポートについては次のページをご覧ください。

ProWalkerを使ってアニメーションを作成/エクスポート

 照明ダイアログ

ProWalker GPU照明ダイアログを使って物理的な空や人工照明、周囲光、発光マテリアルの強度/輝度を制御できます。

また、輝度やガンマスライダを使ってグローバルな照明調節を行うトーンマッピングコントロールもあります。

これら2つのスライダは、特定のレンダリングモードでのみ使用できます。

  • 画面空間アンビエントオクリュージョンを使用して間接光を模倣する「ambient(周囲光)」スライダはQckモード でしか動作しません。IDモード、PRモードは、グローバルな照明計算を実行します。
  • LEM(発光マテリアル)スライダはPrモードでのみ動作します。LEMだけ、今回フォトリアルモードに完全装備されました。

物理的、人工、LEM

  • Physical(物理的)は、物理的な太陽/空システムの輝度を決めます。また、背景ダイアログの「texture」ボタンがチェックされている場合、イメージベースのHDRI照明使用時に輝度を制御できます。
  • Artificial(人工) オムニライトやポイントライト等のシーンにあるすべての人工Podium照明用のグローバルな輝度乗数 人工照明の個々の輝度への変更はSketchUpシーンで行わなければなりません。
  • LEM シーンにあるすべての発光マテリアル用のグローバルな輝度乗数

輝度、ガンマ

  • Brightness(輝度) - これは、レンダリングを明るく/暗くするためにイメージ上の全ピクセルに直線的に適用された照明調節です。通常、輝度スライダを触る前に、「物理的」スライダを使って望む結果にできるだけ近い照明を得ることをお勧めします。
  • ガンマ - ProWalker GPUでは、ガンマスライダはPodium Image Editorのコントラスト調節のように動作します。ガンマ値を下げるとコントラストが上がり、影が暗くなり、ハイライトがより明るくなります。ガンマスライダが2.2を超えると、反対の効果が現れ、値範囲が抑えられて、コントラストが下がります。

マテリアル同様、ProWalker GPUには人工照明作成用のインターフェースはありません。ですので、人工照明作成には SU Podiumの照明ダイアログを使用しなければなりません。

 詳細情報: ProWalker GPU照明ダイアログにあるスライダと機能についての詳細情報が載っています。

 マテリアル

ProWalker GPUには、マテリアル作成/編集(拡散、反射、透過、発光)を行う専用インターフェースはありません。その代わり、ProWalkerはこれらの設定の編集にはSU Podiumのマテリアルダイアログを認識/依存します。

ProWalker GPU向けにマテリアル設定を調節するには、SU Podiumマテリアルダイアログを開き、その中にあるマテリアルプロパティを編集します。Podiumのマテリアル設定について

  SU Podiumのライセンスをお持ちでない方: 無償トライアルをインストールしてください。トライアル期間が過ぎるとSU Podiumを使ってレンダリングはできなくなりますが、マテリアルや照明インターフェースには依然アクセスできます。

  Podium Browser互換マテリアル: さらに、既製マテリアルや照明を選択したい方:Podium Browserは ProWalker GPUと完全互換しています。
(メモ - Podium Browserには別売のライセンスが必要です。)

 背景ダイアログ

背景ダイアログには、自然光用のアプローチとして物理的な空シミュレーションとイメージベースHDRI照明の2つが装備されています。

シミュレーション - 物理的な空シミュレーション

Simulationが選択されていると、SketchUpの日付/時刻設定を使用して影角度と空の輝度/色調を決める5つの物理的な空シミュレーションから選べます。

  •  長所: 影角度を正確に制御 SketchUpの日付と時刻設定を変更し、無償のSolar North プラグインを使用するだけでさらなる制御が可能になります。
  •  長所: 影を動画化し、タイムラプスアニメーションを作成可
  •  短所: ドロップダウンメニューで選択できる空スタイルは5つだけです。

Clear Sky

Cloudy 1

Fine 1

Fine 2

テクスチャ - イメージベースのHDRI照明

Textureが選択されていると、ProWalkerはイメージベースのHDRI照明を使ってシーンを照らします。インストールされたProWalkerには5つのHDRIオプションが含まれていますが、ライセンスユーザーはHDRIダウンロードページから40までの追加HDRI空をダウンロードして使用できます。これらは、インストールプログラムが管理できるファイルサイズを保守するためにインストールプログラムには含まれていませんが、下記手順で簡単にインストールできます。

  •  長所 - それぞれ特有の色調を持つ無数の背景スタイルを迅速にテストする機能
  •  長所 - HDRI照明はスタジオや製品レンダリングに大いに役立ちます。
  •  短所 - 太陽/影角度の制御不可: HDRファイルに埋め込まれた照明を使用しかできません。
  •  短所 - HDRI使用時には影をアニメーション化できません。

Clear Sky

Cloudy 1

Fine 1

Fine 2

 イメージをキャプチャ - 静止レンダリングをエクスポート

ProWalkerビューポートに表示されるイメージは、照明や合成、サンプル/レンダリングモードの微調整を補佐するために用意されたプレビューイメージです。下の1分間のビデオでデモンストレーションしているように、カメラアイコンを使って静止レンダリングをエクスポートします。

メモ - 静止イメージをエクスポートする際、デノイズは、レンダリングプロセスが終了するまで適用されません。デノイズが動作していないように見えてもても心配しないでください。プレビューでは表示されません。

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